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歯周病治療

成人の80%が感染している国民病

歯周病治療

歯周病は現在、歯を失う最も大きな要因と言われています。「主に40代以降で発症する」とされていましたが、最近では若い内からの発症も増えてきました。厚生労働省の調査でも「日本の成人の約80%は歯周病」という結果が出ており、もはや誰にとっても他人事ではありません。そのメカニズムを知り、大切な歯を守りましょう。

歯周病の原因

口腔内には約400~700種もの細菌がおり、歯磨きが不十分であったり、砂糖を過剰に摂取したりすると、粘着性を持って歯の表面に付着します。この歯垢(プラーク)とよばれる細菌の塊が、歯肉に炎症を起こし骨をも溶かす「歯周病」の原因です。
歯垢は放っておくと歯石に変わり、これは歯磨きだけでは取り除けません。歯石の中や周囲に入り込んだ細菌は、さらに毒素を出して歯周病を進行させます。

歯周病の進行段階

  1. Flow01

    歯肉炎

    歯ぐきが丸くぶよぶよしている状態です。歯を磨くと少しだけ出血することもありますが、違和感がほとんどない状態です。

  2. Flow02

    軽度歯周炎

    細菌が奥へ奥へと侵入し、歯周ポケットを形成しています。噛んだときに違和感があったり、歯を磨いた際に血が出たりします。炎症を起こしている細菌の塊であるプラーク(歯垢)と歯石を除去する必要があります。

  3. Flow03

    中等度歯周炎

    歯を支える歯槽骨に炎症が起きている状態です。噛みにくくなったり、歯がグラグラしたり、口臭がキツくなったりします。歯周ポケットの奥深くまで歯石除去を行います。

  4. Flow04

    重度歯周炎

    歯槽骨が吸収(破壊)されていて、膿が出てくる、強い痛みなどを感じるような状態です。他の歯に悪影響を及ぼさないよう、ほとんどのケースで抜歯が必要となります。

主な歯周病治療内容

ブラッシング指導

日々のライフスタイルや年代などによって、お口の状態は人それぞれ異なります。このため、ブラッシング指導においても一人ひとりの状況に応じて、磨き方のアドバイスを行うのが当院の特徴です。

スケーリング

スケーリングとは、手用スケーラーや超音波スケーラーを用いて、歯の表面や歯周ポケット付近の歯垢や歯石を取り除く方法です。特に歯石は歯ブラシでは綺麗にすることができません。定期的にスケーリングを受けていただければ、細菌の少ない口腔状態を維持する効果が期待できます。

ルートプレーニング

歯周ポケット内に隠れた歯石やプラークを、専用の器具を使って取り除きます。汚れを除去すると歯ぐきの炎症がおさえられ、歯周ポケットも浅くなっていきます。

歯周外科処置

歯周病が進行して歯周基本治療だけでは成果が上がらない場合、外科的治療を提案することがあります。外科的治療とは、歯肉を切開して歯根周辺の歯垢や歯石を取り除く処置で、患者様と相談したうえで希望された場合に実施します。

不良補綴の変更

周囲にすき間がある被せ物のこと。不良補綴物はプラークや歯石が溜まりやすく、歯周病の原因になります。そのため、不良補綴物を除去し、入れ替えることも重要な治療になります。

中等度〜重度歯周病のための「歯周組織再生療法」

歯周組織再生療法とは、歯周病によって失われた歯科組織を、薬剤によって回復させる治療のことです。回復させるための空間を作り、そこに組織誘導薬剤を注入して、失われた骨や歯肉の再生を促します。
歯周組織再生療法を行えば、中等度~重度の歯周病であっても、抜歯をせずに治療できる可能性があります。他院で「抜歯しかない」と言われた方は、ぜひ一度当院までご相談ください。

歯周病の再発を防止する「歯周病安定期治療(STP)」

歯周病安定期治療(STP)とは、歯周病の再発を防ぎ、良好な状態を保つための予防治療です。1~2ヶ月毎に口腔内の状態を確認し、歯科医師による咬合調整、歯科衛生士による歯周ポケット内の洗浄、スケーリング、ルートプレーニングなどを行います。
歯周病安定期治療(STP)は、歯周病の再発に備えて先回りする治療であり、単なるメインテナンスではありません。通院期間を短くすれば、歯周病の悪化も早期の内に発見・治療ができます。

未然に防ぐための予防が重要

歯周病は自覚症状の少ない病気です。歯ぐきからの出血や歯ぐきの腫れ、歯のぐらつき(揺れる)などの症状に気付いた頃には状態が悪化し治療に時間がかかったり、最悪の場合は歯が抜け落ちてなくなってしまう深刻な病気です。しかし歯科医院で定期健診を受けていれば、予防を徹底することができますし、たとえ発症していても早めに気付いて軽症のうちに治療できます。まずは健診を受けて、状態を確認することから始めましょう。

予防歯科
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