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自家歯牙移植について
欠損した歯の治療の選択肢でインプラント、ブリッジ、義歯がありますが今回は自家歯牙移植のご紹介をします。
保存が不可能になった歯に対して自分の親知らずなど嚙み合わせに参加していない歯があった場合その歯を利用して移植を行うことができます。
メリットはブリッジのように左右の歯を削ることがない、インプラントにはない歯根膜という組織が温存できる為術後の歯の矯正が可能、本来抜歯になることの多い親知らずを抜くことでより管理しやすい口腔内になるなどが挙げられます。デメリットは生着しない可能性やインプラントと異なり形が規格化されていないのでドナーの歯の形態で難易度が変わることがありますが。
治療の流れですが保存不可能な歯に対してドナーの歯の形態の診査を、レントゲンやCTなどで行います。移植は当日に移植するケースと先に保存不可能な歯を抜いて歯肉でドナーをきちんと縫合できる状態まで待って移植する場合があります。またドナーの歯をスムーズに抜いてあげると歯根膜という組織が温存されるので抜歯前に少し矯正力をかけてから抜歯を行うことが多いです。移植後は縫合や接着剤を用いた固定を行います。移植された歯は神経を失う形になるので根管治療を行って被せ物をして治療が終了となります。
移植は必ずしも選択できる治療法ではないですが残念ながら抜歯が必要な時に適応であればその他の治療にメリット、デメリットがありますが自家歯牙移植はご自身の使っていない歯を必要な部分で使えてメリットも多い治療と感じています。
症例の説明 術前で虫歯が大きく歯が割れて保存不可能でした、術直後のレントゲンで左下の親知らずを移植しました、こど時点ではまた歯と骨には隙間があいています。 術後、根の治療をし被せ物で咬合の回復をしました。術直後にあった隙間は骨で埋まり痛みや違和感もなく使えています。
術前レントゲン

術前口腔内写真

移植直後レントゲン

術後

術後口腔内写真

主訴 | 被せ物がとれた |
年齢・性別 | 50代 女性 |
費用 | 保険診療 |
治療方法 | 歯牙移植 |
デメリット・注意点 | 感染し生着しない可能性がある |
執筆者情報

佐藤 隆夫Sato Takao
歯科医院に行くことは勇気のいる事だと思います。 来院してくれたみなさまが笑顔で来院しやすい医院を作り、一人ひとりに適切な治療を行っていきます。
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略歴
- 日本大学歯学部 卒業
- 日本大学歯学部付属歯科病院
歯内療法科、歯科インプラント科 在籍 - 東京都内の歯科医院で勤務医
- 上野毛通り歯科 開業 現在に至る
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所属学会・資格