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急なお子様の外傷による治療 根未完成のケース

急な転倒やぶつけてしまうなどの外傷で歯や骨などに損傷が起こってしまうことがあります。

急な外傷は小児期に特に多い傾向があるので患者さん本人だけはもちろん保護者の方にも心理的な負担があるかと思いますので。外傷は急に起きることですが可能な限り丁寧に対応する事が大切と思って診療しています。

今回はおよそ6年前に外傷で歯が折れてしまい神経が露出してしまったケースについてです。

外傷時まだ10歳で歯が完全に成長していない根未完成という状態でした、根未完成のまま神経を失うと歯の成長がきたいできず、根の長さが短いことによる歯周病のリスク、根の歯の厚みが薄いことによる歯根破折など長期的な保存に不利な状態になります。

その為、露出した歯髄を部分的に切断し感染に配慮したうえでこのケースではMTAという材料を用いて封鎖をし、折れた歯の欠片を持ってきてくれていたのでそれを接着させました。歯の欠片を割れていて脱離をしていたのでコンポジットレジンという即日修復できる材料に後日置き換えました。その後歯髄が生きているか、根の成長しているかを定期的なレントゲンで経過観察し、16歳現在でレントゲンで術前短かった根の長さと根に歯質の厚みも得られ根の成長と歯髄が生きている事が確認されました。

外傷歯は感染を伴わないで歯髄の露出が起きるため適切な処置で歯髄の保存が可能なケースも十分あります。急な外傷の際は学校などであれば歯の保存液や牛乳などにつけてなるべく速やかな来院をお勧めいたします。

術前 歯が折れて歯の神経が露出しています。レントゲンで根が短く根の先が開いていて根が未完成の状態です

経過観察  前歯はコンポジットで修復し、レントゲンで根の成長が見えるがまだ未完成な状態です

術後レントゲンにて根の先の封鎖が得られ長さも隣の歯と同じで十分成長がしました。

残念ながら虫歯になっていたため再修復に移行

執筆者情報

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院長

佐藤 隆夫Sato Takao

歯科医院に行くことは勇気のいる事だと思います。 来院してくれたみなさまが笑顔で来院しやすい医院を作り、一人ひとりに適切な治療を行っていきます。

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