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顎関節症について

野球の吉田正尚選手が顎関節症の手術を受けたとニュースで出ていましたので顎関節症についてのお話をしていきます。

顎関節症とは口を開こうとすると顎関節(耳の穴の前にあります)や顎を動かす筋肉が痛む、あるいは十分には大きく口を開けられない。または口の開け閉めで顎関節に音がする。という症状のことです。

顎関節症はかつては噛み合わせの悪さが原因と考えられていましたが現在は一つの要因だけが原因とならずに様々な要因が合わさり多因子病因説と考えられています。関節や筋に負担のかかる要因は色々あります。そのような要因がタイミングよくいくつも集まって負担が大きくなり、その人の持っている耐久力を超えると症状が出るという考え方です。

予防の一つとしてTCHについてお話します。TCHとは歯列接触癖(Tooth Contacting Habit (TCH))のことです。本来上下の歯は会話や食事をする際の接触する時間を含めても一日20分程度が正常だと言われています。
上下の歯の接触と聞くと一般的には「かみしめ」や「食いしばり」を思い浮かべる方が多いと思いますが、実際にはグッと強い力でなく上下の歯が接触する程度の力でも口を閉じる筋肉は働いてしまうのです。弱い力でも接触時間が長時間になれば筋肉は疲労してくるため、顎関節は押えつけられることになり、正座して足がしびれるのと同じように感覚が敏感になって痛みを感じやすくなってしまいます。
このようにTCHがあると顎関節への負担が増えるだけでなく、歯や歯周組織の病気(知覚過敏、破折、修復物の破損など)の悪化につながる可能性が考えられています。TCHがあるからといって、かならずこのような不快症状が出るわけではありませんが、加齢とともに自覚症状が出てくるので、若いうちからTCHがあるかどうか気づくことが重要です。対策としてまずご自身で上下の歯に接触があるか意識して頂きその状態があれば具体的には、「唇を閉じて、上下の歯を離し、頬の筋肉の力を抜く」ことを意識し、1日に何度も練習してみてください。「歯が接触していると逆の癖」になるようにしましょう。

吉田選手は外科的な治療を受ける状態とのことで深刻な症状だったのかと思いますが外科的な治療を行うことはまれなケースで保存的な治療が行われることが多いです。治療により吉田選手の悩みが解決して今シーズンの活躍できるのを楽しみにしています。

執筆者情報

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院長

佐藤 隆夫Sato Takao

歯科医院に行くことは勇気のいる事だと思います。 来院してくれたみなさまが笑顔で来院しやすい医院を作り、一人ひとりに適切な治療を行っていきます。

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