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スタッフブログ

自家歯牙移植 歯のリサイクル

上野毛駅徒歩2分、歯科保存学会専門医、上野毛通り歯科の佐藤です。当院ではすべての世代の方に健全な口腔内を維持できるよう歯周病、虫歯、審美歯科、予防歯科に積極的に取り組んでおります。

昨年も同じ時期に移植のブログを更新しましたが本日も歯牙移植についてです。

保存が不可能になった歯に対して、自分の親知らずなど嚙み合わせに参加していない歯があった場合、その歯を利用して移植を行うことができます。

メリットはブリッジのように左右の歯を削ることがない、インプラントにはない歯根膜という組織が温存できる為術後の歯の矯正が可能、本来抜歯になることの多い親知らずを抜くことでより管理しやすい口腔内になるなどが挙げられます。私は不必要な親知らずを必要な部位で利用できる歯のリサイクルなどと説明しており個人的には患者さんにメリットの多い好きな診療です。

治療の流れですが保存不可能な歯に対してドナーの歯の形態の診査を、レントゲンやCTなどで行います。移植は当日に移植するケースと先に保存不可能な歯を抜いて歯肉でドナーをきちんと縫合できる状態まで待って移植する場合があります。またドナーの歯をスムーズに抜いてあげると歯根膜という組織が温存されるので抜歯前に少し矯正力をかけてから抜歯を行うことが多いです。移植後は縫合や接着剤を用いた固定を行います。移植された歯は神経を失う形になるので根管治療を行って被せ物をして治療が終了となります。

今回、歯根破折で保存不可能な状態でしたので患者さんと相談の上で歯牙移植を選択しました。CT撮影をして抜歯した部位にドナーが収まるか術前診断をしてあらかじめ保存不可能は歯の抜歯しドナーが入るよう抜歯した穴を調整を行い、10日程度あけドナーの抜歯と移植を行います。ドナーには予め抜けやすくするための矯正力をかけますので今回の移植は麻酔の時間を省くと短時間で15分程度で終了したのでドナーのコンディションも良好な状態が期待できますし。患者さんが終わってレントゲンや口腔内写真で状態を説明した際にホッとした表情がでてこちらも安心しました。外科的な治療の中でも移植は抜歯を伴う処置なので患者さんの精神的な負担も大きいと思いますので。無事治療が終わり今後良い経過になるよう努めていきたいと思います。

術前デンタル

マークした部位に透過像があり破折の疑い

  

術前CT

デンタルにて透過像の部位が頬舌的に骨が無く破折の影響と思われる

  

術後

左下の親知らずが抜歯した左下第一大臼歯の位置に移植された

執筆者情報

院長写真
院長

佐藤 隆夫Sato Takao

歯科医院に行くことは勇気のいる事だと思います。 来院してくれたみなさまが笑顔で来院しやすい医院を作り、一人ひとりに適切な治療を行っていきます。

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